約束の指にキスして。
『似てるでしょ、どことなく桔平に。』

『馬鹿っぽい所がな(笑)』

二人で笑って、キッペーをみて少しだけ時間が過ぎると、健司がアタシの手を握った。

その手を口元に持って行きながら、健司が呟く。

『時差には敵わない…眠い。』

アタシがクスリと笑うと、健司は唇が当たるほどまたアタシの手を引き寄せた。

『ゴメンな…瑛梨。』

『え?』

『気付いてやれなくて……お前が俺達から離れようとしてるのは、俺達の為だって………』

『……。』

『匡介のヤローの言うとおりだった…俺達まだガキで……でも、もうんな事言わせねぇから……』

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