月夜に笑った悪魔 (番外編)


……持ってきても中に入る前に荷物検査とかされたら最悪だけど。


一応それも予想して、体のいろんなところに武器を巻つけてあるから丸腰にはならない。


それも見つかって奪われたらおしまいなんだけど……そうならないことを祈ろう。











──緊張しながら車に乗って1時間ちょっと。
思った以上に早く車はとまって、ドアが開いた。



とまったのは、見上げるような高層ビルの前。


ここが、犬飼組。
……もっと和風な家を想像してた。


すごいところだな……。




「日南様、お待ちしておりました」


いつまでも車内にいれば、こっちに近づいてきた人。


びっくりして心臓が飛び跳ねる。


声をかけてきたのは、黒服姿の優しそうな雰囲気の男性だった。



< 318 / 382 >

この作品をシェア

pagetop