キミに溺れる。〜ピンク髪の先輩と派手色な恋を〜

「あの……、あなたのお名前は?」

「俺?俺はねー……秘密」

「なんでですか」

「名前を知らない方が話しやすいこともあるでしょ」


不公平だ。
それが許されるなら私も言わなければ良かった。


「ずるい……」

「そんなに知りたい?」

「知りたいです」

「じゃあねー……」


と言葉を切った彼。

ちょうどその時、授業開始5分前の鐘が鳴った。


鳴り終わるのを聞いて、再び意識を下へ戻す。



「探してみな」



彼の悪戯っぽい声が届いた。

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