雨降る傘の下で、愛は始まる〜想う愛に想われ愛
【気になる同期と苦手な先輩】
私、朝比奈 美咲(あさひな みさき)は、大学卒業後に親元を離れ、東京に本社があり、東北、西日本、九州、海外ではシンガポールに支店を持つ「星物流」に入社し、営業部に配属された。

営業部は、それぞれにチーム編成がされていて、私は管理チームで、顧客管理やスケジュール管理、その他補助的作業など、管理的な業務を担っている。
まだまだ覚えることも多く、業務に追われ、日々過ごしていた。

私の同期は、中途採用者、新卒といたけど、研修中、特に仲良くなった同期4人の内、私以外は男性で、その中でも本社勤務は私と水森くんだけだった。

水森くんは同じ営業部で、直ぐに外回りや出張に行き、最近では頼もしさが出てきている。
「朝比奈、チーム違うけど、困ったことがあれば、俺に聞けよ」
そう優しく声を掛けてくれる水森くんは、アイドル顔で人懐っこく、営業部の女性先輩からも可愛がられ、他部署からも人気者だ。
私は研修の時から、密かに恋心を抱いている。
「朝比奈って可愛いよなぁ。俺、朝比奈みたいな、守ってあげたいタイプ好きかも」
ふとした時に言ってくれた言葉を思い出すと、今でも顔がにやける。

私はくりっとした目で、顔のパーツが小さいせいか、童顔で、いつも年齢よりも幼く見られる。
私が好きになった人が選ぶのは、いつも私とは違う、スラッとした美人の彼女だった。
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