雨降る傘の下で、愛は始まる〜想う愛に想われ愛
【先生との思い出】
土曜の朝、目が覚めると、まだ朝陽さんは横で寝ていた。
昨日寝ている時に起こされて愛された後、また眠ってしまった。
久々に一緒に過ごせる。
今日は朝陽さんとゆっくりしたい。
私はそっとベッドを抜け出し、服を持って、シャワーを浴びに向かった。
シャワーを浴びた後、部屋に戻ると朝陽さんが電話をしていた。
「はい、直ぐに行きます」
電話を切ると
「ちょっとトラブルがあったらしい。長井さんが会社に向かってて、俺も行くから」
シャワーを浴びて、慌てて準備をしていた。
「ゆっくり休んでね」
そう言って軽くキスをして、出掛けて行った。

「せっかく一緒に過ごせると思ったのに」
1人残された私は、部屋を片付けて、一旦、家に戻ろうと荷物を持って、家の鍵を閉めた。
「朝比奈」
声の方を見ると、津田さんが普段着で立っていた。
「津田さん、昨日帰ったんですね」
「あぁ、神崎は?」
「急なトラブルで会社に行きました」
「そっかぁ・・・実は俺も次の金曜日には九州支社に戻らないといけなくなってさぁ」
「あと、少しあるのに?」
「向こうの仕事が回らないみたいだ」
「そしたら、今日と明日がこっちで過ごす最後の休日なんですね」
「そうなんだ。普段忙しくて来れないし、だから遊びに来たんだけど・・・」
「もしかして、明日は大丈夫かもしれませんよ。じゃあ、私、一旦帰ります」
「ちょ、ちょっと待って。朝比奈は今日、暇なんだろう?」
「まぁ、特に予定はないですけど」
「じゃあ、今日は一緒に出掛けよう」
「ちょ、ちょっと・・・」
津田さんに手を引かれて、歩き出した。
「俺、買い物したくてさ、一緒に付いてきてよ」
まぁ、今日は朝陽さんとゆっくりするつもりだったし、津田さんに付き合うか・・・
朝陽さんにメールだけしとこう。
『朝陽さん、津田さんが次の金曜日帰るらしく、今日と明日がこっちで過ごす最後の休みなので、今日は買い物に付き合ってきます』
しばらくして、返事が返って来た。
『わかった。遅くなるなよ』
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