愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜




「……離れたく、ないね」



 その言葉で、ぎゅっと胸が締め付けられた。時間はきっと限られているし、離れたくないのは私だって同じだ。


 身体を反転させ、スゥスゥと寝入ってしまったユキの幼い顔を見つめた。そして、その頰にゆっくりと口付ける。



「私もよ、ユキ」



 もう、一人で生きていくなんて言えない。



***
< 282 / 324 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop