無口な彼の妬かせ方
初めての感覚




「あっ……唯ちゃん…。」




勢いよく開いたドアに、



ものすごく息が荒れた唯ちゃんが現れて。



夜ご飯の準備をしていた私は、



ちょうどコテージの入口付近にいた為、すぐにそれが確認出来た。




「……お、おかえり。」


「……………」




ハァハァと息が漏れている唯ちゃんは、



チラリと私に目線を向けてくれた。



どうしたんだろ……



なんだかすごく疲れているみたい。




「い、今ね!夜ご飯の準備をしてて……」




手伝ってくれるかな?



ってお願いしようとしたのだけど。



ゆっくりと顔を上げた唯ちゃんの額に何やら違和感を持った私は、




「あ、れ?オデコ……真っ赤だけど、大丈夫?」




自分の額を指さして、赤いよ?っと知らせてあげる。



何かぶつけたのかな?



額の一部が赤く腫れてるけど……




「っ!!」




すると唯ちゃんの頬が一気に赤色に染まった。




「………っえ?」




カァーっと赤くなる唯ちゃんに、



私は驚きを隠せず戸惑う。

< 136 / 304 >

この作品をシェア

pagetop