無口な彼の妬かせ方
「………、藍。」
ジッと私を見るその瞳の奥には私が映り込んでいて。
その瞳に捕えられつつ、
キュッと口を閉じた。
真剣な顔で、真剣な眼差し。
眼鏡をかけて、いつもとは違う雰囲気の彼。
「っ、」
目線を逸らしかねないそれに、
たぶん、今の私は、
真っ赤なはず。
「……………。」
黙り込んだ翔に、
首を傾げたその瞬間。
私の髪の毛を触っていた手が、
徐々に下へ下へとおりていき、私の手首を軽く掴んだ。
「………目、閉じろ」