私これでも一応聖女ですが、落ちこぼれなせいで国外追放寸前です!



でも何故フェイムがあの魔窟にいたのかだけが、私の中で答えが出ていない。


念を込めるようにフェイムに視線を送ると、気づいた彼が飲みかけていた紅茶をゆっくりと置いた。


何となくでルーディさんが私がフェイムに視線を送っていることに気づいたのか、目を伏せた。


「お礼も言えたことだし、私はとりあえずお暇するわね。また何かあったら呼んでちょうだいね」


「ありがとう、ルーディ」


席を立ったルーディさんを見送って、パタンと閉められた二人だけの空間にフェイムは一つ息をついた。


「何からまず話そうか」


「これまでの経緯をお互い話す?」


「そうだね。それが混乱しなさそうだ」


一口紅茶を啜って喉を潤してから、私から先にここに至った経緯を話すことにした。




< 144 / 267 >

この作品をシェア

pagetop