大人になる方法
凛は、ほっぺ膨らませながら
行き先の途中にあるコンビニに入って行く。


そこでゼリーやサラダチキンを買う凛を待つ。
これが私のルーティーンだ。


「凛、早く!授業遅れる!」


レジの大行列に捕まった凛を急かしてみるけれど、どうしようもない。凛の前には3人並んでいて、そのうち1人が持つカゴの中にはたくさんの商品が入っている。


「黒木 ニイナ(くろき にいな)さん、大変お待たせしました。それでは、走りましょうか。」


「…そうですね。」


「そんなに怒らないでくださいよ。これはダイエットです。学校帰りのフラペチーノの為に、走ってカロリーを消費しましょう?」


「…。」


「よーい、どんっ!!!」


私たちは全力で走った。


歩く大人達の間を通り抜け学校へと向う。


学校に着いた。
でも、まだ授業は始まっていなかった。


さすが、我が高校。ゆるい。


緑色に髪を染めた人、ピアスをたくさん開けた人
ゴスロリの服を着た人、いろんな人がいる。


私たちは通信制高校に通っている。


これといった校則すらない
普通のビルの中にひっそりとある学校だ。




微かにヒールを履いた足音が聞こえる。


いつもスニーカーを履いている先生、
珍しく違う靴を履いたのだろうか。


そして、その足音の主が教室に入って来た時、
多く人がそちらを向いた。


生徒達が先生を待つ中、教室に入ってきたのは
高いヒールを履いた見知らぬ女の子だった。
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