堕ちて、堕ちて、地獄まで。
変貌
それからしばらくしたある日。

「あっ!月果ちゃん!」

目がものすごく大きい女の子に話しかけられた。最初は誰かわからなかったけれど、声でなんとなく察した。この子は、凛咲ちゃんだ。

「凛咲ちゃん!久しぶり」

凛咲ちゃんは前とはすっかり変わっていた。前も細かったけれどそれよりさらに細くなり、そして顔全体にはがっつりメイクが施されている。決して濃くはないけれど、なぜか彼女のメイクはちぐはぐに見えた。

「凛咲ちゃん…また細くなったね」

「えっ!嬉しい!実は前より五キロ痩せたの」

「五キロ…凛咲ちゃん、失礼だけど体重って…」

「今?たぶん三十キロくらいかな」

その言葉に目を剥く。信じられない、私と同じかそれより高いくらいなのに…私と十キロ以上差がある。

「でも三十キロじゃ重すぎない?もう少し減らしたいんだよね、ここらへんの肉とか」

腕の皮をつまむ凛咲ちゃん。その肌はすっかり艶がなく、なんだかお婆さんの肌でも見ているかの如くハリさえもなかった。

「いや、それ皮!皮でしかないよ!」




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