すずの短文集
ニワトリくんのお友だち
ねえ君は覚えてる?

ヒヨコの僕を買ってくれたあの日のことを


縁日で僕を見て、買って買ってとお父さんにせがんでいたね

毎日毎日欠かさずエサをくれた、朝の苦手な君


僕がニワトリになりたての頃も

僕が朝のあいさつをしていた時、君は眠そうに目をこすってそばに来て

僕にもたれかかって眠ろうとしたね


僕のほうがとても小さいのに僕のマネをして

しゃがんでアリの行列を一緒に見たり

僕がいる近くのイスに座って

僕に話しかけながら一日中空を見たりした

いつも君はずっと楽しそうに笑っていたね


ずっと友達だよ

たとえ君がニワトリじゃなくたって

僕は笑った君が好き
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