タングルド
新二は次男ということで両親からも甘やかされて育った、そういうこともあって良い言い方ならおおらかだが、悪く言えば只の我儘だったが血の繋がった弟でありどうしても憎めない。
だから、森川彩香、彼女のことを助けたい。将来を共に歩みたいと言われて見捨てる訳にはいかなかった。

そんな優しさは二人には当然のことで、自分たちの軽率な行動が誰かを傷つけたり窮地に追いやっているということに気がつかない人間になってしまった。

俺の大切な人を傷つけた事を何とも思わないそんな人間にしてしまったのは両親と俺。

だから、それを分からせるのは俺しかいないし、新二と身体を重ね続けながら俺に愛を囁く彼女にしっかりと引導を渡さなければいけない時がきた。

雪から彼女の暴走を聞いたあの日、全てのことを父に話し、今まで新二の為に森川住販が有利な方法で再建をさせてきた、それは新二の為であり、俺のやさしさでもあったのに森川社長も俺に彩香さんを“あげる”のだからと不遜な態度をとってきた、実に不愉快な親娘だ。
もうこの人達に情は不要だと判断した

だから

雪に約束した1週間で片付けるべく奔走した。

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