タングルド
番外編 姉妹の会話
番外編 姉妹の会話

「うわ〜夜は本当に綺麗」

「昼にはよく来てるけど、夜は初めてか」

「わたしだって空気は読めるんですよぉだ!新婚夫婦の家に夜に訪れるなんて二人から恨まれるでしょ」

「いやいや、そんなことは無いから」

世田谷のウォーターフロントのマンションは天気の良い時は富士山が見え眺望は抜群だ。
夜は河川敷が暗い分、対岸に広がる町の明かりは美しく輝いて見える。

「今日は泊まっていってもいい?」

「もちろん、簡易ベッドがあるから空いている部屋に設置するね」

花は窓の外を見ながら
「今夜はカーテンを開けっぱなしにしてリビングでお姉ちゃんと寝たい」

「それも良いかもね、ラグだけだと身体が痛くなりそうだからありったけのクッションを敷こうか」

そう言うと二人でクッションを集めて窓際に並べてからココアを二人で作った。
牛乳にココアパウダーをゆっくりと溶かしていく、そこにチョコを削りながら入れていくと甘い香りが立ち上がった。

電気を消すと窓からは月の光が優しくそそぎこむ。
二人で並んで毛布を膝に掛けると子供の頃を思い出した。

「そういえば昔、電子レンジとトースターを一緒に使ったらブレーカーが上がって真っ暗になった事があったよね」

「そうそう、お姉ちゃんもブレーカーの事がわかってなくてお父さんが帰ってくるまでカーテンを開けて月明かりの下で二人で毛布にくるまった事があったよね」

「今思うとあのスイッチを上げるだけとか、でもなんか部屋の中が魔法が掛かったみたいだった」

「うん」
「そういえば、お義兄さんは台湾に出張だっけ」

「そう、あまり無理するといけないから2泊したほうがいいって言ったんだけど、1泊だけで強行帰国するみたい」

「本当にお姉ちゃんのこと好きなんだね」

改めて言われるとなんか恥ずかしい
「ところで、何か私に言いたいことがあるんじゃないの?」

「へへっ、バレたか」


カップに入ったココアの香りを楽しんでから一口含んでゆっくりと飲み込むと身体に染み込んでいく。

「お姉ちゃんはお母さんのことどう思ってる?」
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