先輩と泣き虫
私の頭は一瞬真っ白になる。

…なんで?
嫌いだろ、って聞いたのに…

それにこれは、私のファーストキス…

「っ…はあっ、はあっ…」

ほんの一瞬の短いキスに私の息はそれだけで乱れ、もうすでに私の目は潤み始めている。

「はぁっ…。お前にはお仕置きが必要だな…。先輩に対して、あんな態度とって…」

「私…私…あの…」

嫌われちゃう…早く、早くしなきゃ…
でも、好きだって言ったら、迷惑かもしれないのに…

「黙ってろ…!!」

「あ…!」

先輩がすごく怒ってる…!

目を伏せて、顔を歪ませて…

「っ…!」

「きゃっ…!?」

突然、先輩は机に私を押し倒した。
そして…

「いやっ、いやああ!」

「胸、揉んでるだけだろ…!」

なんで…?なんでこんなことをするの…!?

「痛っ…!あぁっ…あっ…」

でも私の口から出るのは、初めての感覚にさらされて漏れた声だけ。

「お仕置き、するって言ったよな…!」

押さえつけられたまま上着のボタンを外され、下着もめくられた。

「や…!見ちゃや…!」

音を立てて、先輩が露わになった私の胸の先を吸い上げる。

「あっ…あ…!!や、やです…先輩、嫌ぁ…!」

私は必死に否定の言葉を口にした。

…私は先輩のことが好きだけど、先輩は私のこと、きっと好きじゃない…きっと嫌ってる…
こんなのは嫌…

「ひっ…く…ぐすっ…」

泣き虫の私は何も言えずに泣くばかり。

「泣いたってやめねえ…!思い知らせてやらなきゃ…」

服をはだけられて、身体中乱暴にキスされて…

「や、やだっ…あ、あっ…!」

「お前さ、嫌いなやつにこんなことされて感じてんのか?」

嫌いなんて、思ったことないのに…
でも、先輩に気持ちが知られないようになんて、どうしたら…

「ち、違います!待って、ください…私、先輩…」

泣いて、うまく言葉が出てこない…。初めてのことでびっくりして、悲しくて…

「やっぱり、俺が嫌いなんだろ…」

「違…違う!っ…!」

「っ…バカにするのもいいかげんにしろよ…!」

私の言葉は、もう先輩には伝わらない…。
好きだったのに…好きだったのにずっと…

「…っ…俺は…お前が……」

「っ…」
< 2 / 6 >

この作品をシェア

pagetop