Re:habilitation study ~鬼指導教官にやられっぱなし?!
【Study15:知りたいようで知りたくない朝ごはん抜きの理由】



【Study15:実習14日目】


実習14日目
実習終了まで残り4日


「神林さん・・・」

『・・・・・』

「ちょっと、神林さん・・・」

『・・・・・』

「まお~!!」

『えっ?!!!!!』


声を潜めながらも叫ぶ、聞きなれない低い声の“まお”


「今、居眠りしてだぞ。」

『あっ、しまった。すみません!!!岡崎先生。』


居眠りを指摘され、これは凄い勢いで叱られると思ったあたしは
居眠りした格好である俯き姿勢のまま謝罪する。


「俺、岡崎先生じゃねーよ。」

『えっ、誰?』

「今、筋トレ中だろ?」

『あああ・・・もっとすみません、長谷川さん・・』


やってしまった
患者さんの前での居眠り
しかも本人の前で

「それに今日は岡崎先生、午前中休みで、今、俺の代行訓練してくれているの松浦先生だろ?」

『そうでした。』

「松浦先生が他の患者さんのところへ様子を見に行っている時で良かったな。」

『・・・おっしゃる通りです。』



実習終了まであと4日となった火曜日午前中。
健康診断へ出かけるために午前休みとなっている岡崎先生の代わりに、松浦先生が長谷川さんの代行訓練をしている。


今日午前中の松浦先生による長谷川さんのハンドセラピィは終了している
でも、ここ最近の長谷川さんはケガしていない側の上肢(腕)と指を、筋トレ器具を使って鍛えたいという彼の意向にて作業療法室で居残り自主トレをしている

そんな彼の筋トレの回数カウントをしてあげろと岡崎先生からの指示であたしもこの自主トレに参加している
その最中に、数を数えながら居眠りしてしまったというあたしの不手際


「そんなヘコむなよ。眠れない時に羊を数えて眠くなったような状態に陥っただけだろ?それだけレポート頑張って書いてるってこと。」

『そう言って頂けるとありがたいです。』


この自主トレの時間での彼との会話でも、かなり打ち解けてきている
最初の頃、彼とどう関わったらいいのか戸惑っていたのが嘘みたいに・・・
それでも長谷川さんのレポートを深夜まで書き続けてしまい、今頃眠気が来たなんて言えない


「で、レポート、完成したの?」

『一応、完成させたのですが、岡崎先生から作業療法士らしさがレポートから感じられない・・・と指摘されまして・・・』

「なんか難しそうな話だな。」

『そうなんです。長谷川さんのレポートにおいて作業療法士らしさって何だろう・・・って今も悩んでいるんです。どう思います?』

「俺、素人だからわかんない。俺に聞くなよ・・・でも悩むよな~・・あ~、俺まで悩んでたら腹減ってきたわ。パンでも買ってくるかな。」


長谷川さんの言う通り、もうすぐ昼食時間。
長谷川さんは松浦先生によるハンドセラピィの後に自主トレをしていて、お腹が空いていてもおかしくない

パン、あたしも食べたい
でも、長谷川さん、おにぎりが好きだって言ってたけど・・



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