パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
「お待たせしましたね」

 とたんに部屋の空気がピリッと引き締まった。

 わたしたちはバネがついた人形のようにぴょんと立ち上がって、彼女を迎えた。

 ルイのお祖母さんは、自然と相手の居住まいを(ただ)してしまうほど、威厳に満ち溢れた方だった。
 お稽古中のうちのおばあちゃんもそう。
 外見は似ても似つかないけれど、醸し出す雰囲気はそっくりだ。

 この城と一緒で、彼女もまるで物語の登場人物のよう。

 髪はシニョンにまとめ、レースがあしらわれた黒い立ち襟のマキシ丈のワンピースを着ている。
 日仏のハーフのはずだけど、どちらかと言えば、彫の深い西洋的なお顔立ちをされている。
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