パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 ただ〝いってきますのキス〟をしているはずだったのに。
 ほぼ毎日、こんな状態。

 とは言いつつ、ふたりともちゃんと仕事も学校もこなしていた。
 
 ルイは来月のパリ・コレクションの準備に追われていて、だいたい日付が変わってから帰ってくる。
 一方のわたしは、学校が午前9時始業だから、毎日ルイの帰りを待つわけにはいかなくて。
 すれ違ってしまう日も多い。
 一緒に暮らしているのに、一日、まったく顔を合わせない日もあった。

 なので、ルイは、どんなに遅く帰ってきても、朝食の時間に起きてくれるようになった。
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