パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
「薫が私を惑わせるんだよ。そんなに愛らしい仕草で誘うから」
「そんなこと……してないよ」
「いや、してる」

 そう言って、わたしを抱き寄せると長い黒髪を掻きあげながら、(はしばみ)色の目を妖しげに光らせて、額や頬や唇に口づけの雨を降らせてくる。

 そして口づけだけじゃなくて、骨まで蕩けちゃいそうな甘い言葉も降り注いでくる。

「モン・ベべ、愛してる。離れているときはいつもきみを想ってる……ああ、なんて綺麗でなめらかな肌をしてるんだ……食べてしまいたいぐらい可愛いよ……」

 赤面してしまうほど、これでもかと愛情表現してくれるところは、やっぱりフランス人だ。
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