パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
「薫……」
 ルイの冷えた手がわたしの頬を包む。

 そっと目を閉じると、まぶたに、頬に、優しい口づけが降ってきた。

Mon bébé(モン・ベべ)

 そして……
 耳元で囁かれる、途切れることのない愛の言葉。

「Je t’aime tendrement.(心の底から愛しているよ)」

「Moi aussi(わたしも)。言葉で表せないぐらい愛してる」

 彼の細くて長い指に顎をすくわれ、今度は口づけを交わした。

 長い、長い口づけを。
 寒さも忘れてしまうほどの、熱い、熱い口づけを……

 
 どこからか、ワルツの演奏が聞こえてきた。

 ルイはいったんわたしから離れると、右手を差しだし、恭しく礼をした。

「私と踊っていただけませんか。マドモアゼル」

 もう。こんなポーズのルイは、うっとりしてしまうほど素敵。

 だって、物語の登場人物そのものだから。
 
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