パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます

3・このほのかな甘酸っぱさの正体は?

 翌朝、枕元の電話の音で起こされた。
 薄目を開けると豪華な部屋。
 ここどこだっけ?
 
「まだ寝ていたのか? 朝食に行くぞ」
 ルイ……の声?

 あっ、ここパリだった。
 夢じゃなかった。
 ああ、良かった。

「5分だけ待っててください」
 わたしはあわてて飛び起きた。

 朝食はグランドフロアにあるレストランで。
 開放的なガラスドームの天井から降り注ぐ柔らかな日差しが、白いテーブルクロスを照らしている。
 今日もお天気、よさそう。

 席に着くとすぐ、ギャルソンがフレッシュオレンジジュースを持ってきてくれた。
 乾いた喉に沁みわたって格別のおいしさ。
 
 家族連れ、カップル、新聞を読む男性……
 どこのホテルでも見られる朝の光景。

 でも、さすがにここにいる人たちはみんな、あわただしさとは無縁。
 ゆったりとくつろいで、豪勢な朝食を心ゆくまで楽しんでいるように見える。
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