パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 ルイはテーブルを回って、わたしの目の前に立った。

 そして身をかがめた。
 顔が近づいてくる。
 そして、片手でわたしの後頭部を支えて、額を合わせた。
 
 えっ?

「うん……少し熱いような気もするが……今日はちゃんと部屋で休んでおけよ。じゃあ、行ってくる」
 そういって、時計を気にしながら出かけていった。
 
 ぽけーっとしてしまった。

 接近してきた、彼の美しい顔の残像が消えない。
 まだ額に感触も残っている。
 
 なんだか……
 急に、顔がほてってきた気がする。
 ルイのせいだ、きっと。
 突然、あんなことするなんて反則だ。
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