パリの空の下、極上セレブ御曹司の貴方に今日も甘やかされてます
 その言い方が、あまりにも不自然にそっけなかったらしい。
 楓はスマホの画面の向こうから、目を大きく見開いてわたしをじっと見つめてくる。
 まるで、わたしの心の奥を覗こうとするように。

「なんか、無理やりなんでもないって思ってるみたいに聞こえる」
「そんなことないよ」
「ふーん。まあ、いいや。じゃあ金髪イケメン捕まえたら、紹介してね」
「あ、うん……」

 金髪イケメン。
 ああ。
 そういえば、そんなことすっかり忘れていた。
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