国宝級美男子のお世話は甘い危険がいっぱい〜私の心臓いくつあっても足りませんっ〜
「羽花っ!!!」


 私の名前を呼んだのは隣を歩く雷斗くんではない。声のもとに振り返る。


「翔ちゃん? どうしたの?」


 なんだか険しい表情で私を見る。ど、どうしたんだろうか? 私が知らないところでまさか翔ちゃんになにか迷惑をかけてしまっていたのだろうか……


「ちょっと話があるんだけど今時間大丈夫?」


「あ、えっと……」


 あと少しの時間、教室まで雷斗くんが送ってくれると言っていたから……チラッと雷斗くんを見ると明らかに不機嫌そうな顔をしている。でも翔ちゃんのあんな険しい顔を見てしまったから、、気になってしょうがない。


 ギュウッと繋いでいた手が強く握りしめられた。


「いいよ、少しだけなんだろう。羽花はもう少しで休憩時間が終わるから、手短にな」


 いつもよりもワントーン低い声で雷斗くんが翔ちゃんに話しかけた。

「あ〜そうだったんだ、じゃあ後ででいいや。文化祭が終わった後、いつもの所でまってるから来てくれるか?」


「あ、うん。分かった。後で行くね」


「じゃあ羽花、また後でな」


 走り去っていく翔ちゃん。雷斗くんに視線をずらすと明らかに怒っていた。


(あわわわ、とてつもなく怒っている様子ですっ)

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