きみの青
「お兄ちゃん、急に変になっちゃったから心配したんだよ」
「・・・うん」
「急に黙っちゃって、わたしのこと忘れたみたいに上の空な感じでさ。具合でも悪くなったのかなって。食べたばかりカレーがいけなかったのかなとか」
「ごめんね。悪かったよ」
「あの時、いったいどうしたの?」
「うん。ちょっとね。急に・・・その。知り合いを見かけてさ」
「知り合い?」
「そうそう。すごく久しぶりな感じの人で、驚いてしまって。でも人違いだった」
「ふーん」

 四つめのシュークリームを食べながら、擬似妹は疑いの眼差しで僕を見つめる。
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