きみの青
 この『歩けば脳活性化およびでもそれでは僕は困る説』を、早希(さき)に話したらどんな顔をするだろう。いつものように謎めいた微笑みと心地よい声を僕にプレゼントしてくれるだろうか。
 
 僕がどんな話をしても彼女は受け止めてくれる。どんなににくだらないことを言っても彼女は決してそれをくだらないとは言わない。それどころか、僕の提供した話題に新しい考え方やものの見方をプラスしてそっと返してくれるのだ。それはまた考えるきっかけとなって、僕は・・・

「先生ってば!」
「えっ」
「えっじゃなくて!また考えごとをしてたの?」
「あ、ああそうだね」
「ああそうだねって、もう!遅いから心配したんだよ。電話しても出ないし、LINE送ったのに反応ないしさあ!」
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