宿敵御曹司の偽り妻になりました~仮面夫婦の初夜事情~


この日もテンションが高かった海里は、食事がすむとお風呂にも入らす寝てしまった。
仕方ないので、一花は着換えさせる時に身体を拭いてやった。

海里を布団に寝かせてから、一花は陸に尋ねた。

「約束して大丈夫ですか?年末で忙しいでしょう?」

「何とかする。海里の為に休みを取るから。」

海里の為なら陸は何でもするのだと、改めて一花は思った。
ここに来る為に、海里に合う為に、どれだけ仕事を犠牲にしているんだろう…。


「でも、無理しないで下さい。」

「君と、海里の為だ。」

「私?」

「あの島に行こう。三人で。」

「えっ!」

「一花、管理人の山形は来年3月には引退したいと言ってきた。」
「山形さんが?」

「だから…。最後になるかもしれない。」
「別荘を…手離すの?」


陸の返事は無かった。


< 138 / 148 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop