キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
「ちょっ、ちょっと待って!」
私本人を差し置いてなぜ泊りに行かせる相談してるんだ? っていうか、あんなにお泊り反対してたお兄ちゃんからさらりと言い出すってどういうこと?
「なんだ? 茉緒は智成といたくないのか?」
「いや、そういうことじゃなくて」
「智成、俺のいない間に茉緒に嫌われたか?」
「んなわけあるか! 茉緒、来るよな俺のとこ。ずっと一緒にいたいよな?」
なにを勘違いしてるのか必死な智成に呆れながらお兄ちゃんを見る。
「お泊りダメってあんなに言ってたくせにどうしちゃったの?」
バツの悪そうな顔をしたお兄ちゃんはちらりと智成を見て姿勢を正した。
「あ~、うん。今まで散々お前たちの反対してきたけど、俺の悪あがきだって思い知った」
「は? なにそれ」
訝し気に文句を言うとお兄ちゃんがとにかく聞け、と頭をぐしゃぐしゃと混ぜられ髪の毛がぐちゃぐちゃだ。
「正直、お前たちが羨ましかったのもあるんだが、俺が反対しても意味がないと悟った。それよりお前たちは一緒にいた方が心身ともにいい影響を与えるんだとわかったから、付き合いを認めることにする。悪かったな、今まで邪魔して」
「お兄ちゃん……」
ちょっと引っかかる言葉があったけど、それよりも付き合いを認めると言ってくれたことがうれしくて感無量でお兄ちゃんを見つめると、横で智成がツッコミを入れる。
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