キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
お兄ちゃんが帰ってくるのはうれしい。
でも智成とふたりの時間が無くなるのは寂しい。
それにまだ、お兄ちゃんに私たちのことどう伝えるのか決まっていない。
「智成、私たちのこと、お兄ちゃんには」
「もちろん、正直に話すさ。隠す必要ないだろ?」
「そう、なのかな?」
「大丈夫だ、たとえ陸翔が反対して怒っても俺が殴られるだけだから」
「え? ちょっと、それはないでしょ~」
智成は笑って言うけど、お兄ちゃんと智成が喧嘩するのは困る。
お兄ちゃんと智成は親友だしやっぱり複雑な心境にはなるのかな? 殴りたくなるほど反対するだろうか? ちょっと想像できないけど。
「そんな困った顔するなよ、茉緒が心配する必要ない。一応これでも陸翔とは親友と呼べる間柄だし反対されてもちゃんと話し合うから。それより……」
首の後ろに手が回されてぐっと智成の顔が近づく。
その瞳には熱い炎の揺らめきが見えた気がしてごくりと喉を鳴らした。
「ふたりきりの時間はあと数日だ。陸翔が帰ってきたらさすがにこんなイチャイチャできないだろ。今のうちに、恋人の時間を満喫しよう」
唇が塞がれてすぐに舌が口内を蠢いた。
智成のキスって気持ちよくて頭がふわふわする。
艶めかしい舌が私の上顎を舐め上げ舌を絡めて吸われるとお腹の底からゾクゾクと快感が走る。
「やばいな、朝まで抱き潰したい」
「と、智成のえっち」
文句を言いながら、頬が熱い。
私もまんざらじゃないのを自覚してる。
智成は私を抱えたまま立ち上がり自分の寝室へと連れて行った。

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