ハニー、俺の隣に戻っておいで
ジェームズと話し終えたニーナは仰け反ってワインを口に注ぎ込む。 彼女に欠点がたくさんあるのは事実だが、この勇敢さは見上げたものだ。

ニーナは今や個室にいる全員の注目の的で、 彼女が平然とワインを飲み干すのを誰もが黙りこくって見つめていた。

エレガントなドレスを着こなし仰け反る姿はこの上なく優美だった。 しかも、飲めば飲むほど顔が色づき、 耳は赤らんで、彼女自身も身体が火照るのを感じていた。 そして、あまりに急いで飲み干そうとしたのでワインは首を伝って滴り、 その魅力的な光景は見るもの全てを狂わせた。

すでに半分以上を飲み干すと さしものニーナも顔からさっきまでの落ち着きが消え、 眉を顰めるその様子は惨めだった。

無理もないことだ。

普段、お酒を少ししか飲まないニーナにとって この量は明らかに無茶なのだ。

けれども、アダムズに30億手に入れて見せると言ってしまった以上、約束は守らねばなるまい。

この光景を前にするとジョンの瞳が曇る。 まるで底なしの黒い穴が二つ、ぽっかりと空いているようだ。

しかし、彼はまだニーナにお仕置きするつもりだったので、残りを全て飲ませてしまった。
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