ハニー、俺の隣に戻っておいで
「ママ...…」 イザベラの気分は戻らなかった。 こんな目に遭わされたのに黙っていなければならないのだ。 しかもアルバートがニーナ庇っていると言う事実は受け入れ難かった。

何で?

イザベラは裕福な家族の出だが、ニーナなんて何の役にも立たないのに。

けれども、彼女には三つの家族に喧嘩を売る余裕がなかった。 その三家族はいずれも金と権力を持っていると、彼女もわかっていた。 挑発しようものなら破滅が待っているばかりだ。

「わかった、じゃあ自分でやる。 心配しなくていいわ」 今、イザベラは二つのことについて確信を持っていた。 投稿を書いたのはニーナに決まっているので、彼女を暴行するために人を雇ったのはニーナしかありえない。 イザベラはニーナを黙って行かせるつもりはなかった。

そして、アルバートが彼女を庇うつもりだという事実が火に油を注いでいた。

「わかった…… アメリアはため息をつき、沈鬱な面持ちで立ち去った。 娘は重傷は免れていたので、成り行きに任せることにしたのだ。
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