言いましたが、 違います‼︎

ママは最強



「見学かしら?」
「こんな時間に非常識ねぇ」
「見るだけじゃない」
「あんな人の子供が入ってウチの子大丈夫かしら」

遠くでこれ見よがしに私の方を見て話す奥様方。

私だって、好きでこの時間に来てるわけじゃないわよ!
この時間に来いって言われたんだから仕方がないでしょ!

と奥様方を見てニコッと笑って見せる。

教室で子供たちが大人しく先生の話を聞いている。
帰りの会でもしているのだろう。

慎太郎が興味津々に教室を覗いている。

よく見えるように抱っこをすれば、
教室の中に豪くんを見つけて「ごーく」と私に教えてくれる。

今から小さな声でお話ししようね

の約束をしっかり守る慎太郎。
やっぱり、この子天才。


「さようなら」

の声で子供達が荷物を持って教室から出てくる。

「みさとちゃんだぁ」

勢いよく私の所へ来た豪くんと遊びたいと下ろすようにモゾモゾする。

「しんたろうも ようちえんに かようの?」
「そのつもりよ」
「ぼくが いるから あんしんしてね」

一丁前に大人びた事を言う豪くんとの会話に笑顔になる。

「みーちゃ、みーちゃ」

まだ美紗都と言えない慎太郎が私の名前を呼びながら服を引っ張る。

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