言いましたが、 違います‼︎


「これ、なに?」

坂本さんから受け取った紙を机に叩きつける。

「我ながら上手く撮れてる、いい写真だねぇ」
「違う‼︎そうじゃない‼︎」

私はもう一度机を叩く。

「何勝手に人の写真を公開してるのか、聞いてるの‼︎」
「そっち‼︎」

永太郎が豪快に笑う。

「大事でしょ‼︎しかも、ハイジまで勝手に公開して‼︎ホント、何考えてるのよ‼︎」
「大丈夫」

永太郎は親指を上げながら
「お父さんの許可は得ているから」
と得意げに言い放つ。

「私は聞いてない‼︎ってか、いつパパの許可を取ったのよ‼︎」

足元に転がってきた慎太郎を抱き上げ
「先週?」と斜め上を見ながら答える。

「先週‼︎これを公開したのは!」
「今週?」
「はぁ?」

「著作権の侵害よ‼︎」
「それを言うなら、肖像権ね」
「それぐらいテンパってるって事で、そこは流しなさいよ‼︎」
「それは出来ない」

力強く言うと、慎太郎に「ねぇ」と同意を求める。抱っこされていた慎太郎がムズムズと動き出す。
永太郎から慎太郎を受け取ると、またご機嫌に抱っこされている。

こんなに大声で言い争いをしているのに、ニコニコしている慎太郎は大物になるかも知れない。

「そんな事より」

永太郎が切り出す。

イヤ、それ私のセリフだから!

「これ、どこで手に入れたの?まだ公開してないはずなんだけど」
「えっ‼︎そうなの?よかった」

私は大きく息を吐き、椅子に座る。

「知り合いにこう言う写真が欲しいって言われたから、こんな感じ?って渡したモノだよ。それがなんでここにあるの?」

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