言いましたが、 違います‼︎

2



「それは迷惑だからやめてね」

今まで誰もいなかったはず。
声のする方を見る。
木々があるだけで誰もいない。

「誰もいないじゃない。
幻聴?それとも森の妖精?」

なんているわけないじゃん。

「ぶっつ」

思いっきり笑われた。
やっぱり誰かがいる。

「どこにいるのよ‼︎出てきなさいよ‼︎」

テレビCMのようになってしまったじゃないか!

草むらの中からシロアリではなく、1人の男。


こんな男、私の周りにはいない。

私の周りは、ボルゾイやサルーキのような洗練された大型犬の様。
こんなシャーペイいうかブルドックというか

犬なら絶対にかわいい。

でも、人としては残念な部類。
一緒にしてしまったシャーペイとブルドックに謝りたい。


私の気のせいか。

そう思って終わらすつもりだった。
こんな所に人がいるなんて思わないじゃない!

っていうか、

「歩道から外れた場所は立ち入り禁止でしょ‼︎」

事前に確認したサイトに書いてあったもの。
勝手に立ち入る人がおるから、生態系を壊すのよ!

「生態系を壊すとか大袈裟だから。それにちゃんと許可取ってるに決まってるじゃん」

ブサ犬男が近づいてくる。
近くに来ると意外と背の高い男だった。

< 8 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop