言いましたが、 違います‼︎


着いたのは、区役所。

「ちょっと待ってて」とスキップでもする勢いで中に入っていく。

数分もしないうちに、またスキップして戻って来る。

「なんだったの?」と聞いても、「帰ってからのお楽しみ」と文末にハートが見える永太郎。気持ちが悪い。


はっきりさせたくて、永太郎を問い詰めても、

「まずは慎太郎の事。お風呂に入れちゃうね」
と沐浴を済ませて、

「ご飯も食べちゃおう!大人のご飯は僕が作るから、美紗都ちゃんは慎太郎をよろしく」
と慎太郎とミルクを渡される。

「せっかくの料理なんだから、温かいうちのどうぞ」といつもより豪華な晩御飯が始まる。

あいからず美味しい。こんな豪華な料理を短時間で作るなんて!なんだか悔しい!


ウトウトとし始めた慎太郎を抱えていると、
いつのまにか片付けまで終わらせた永太郎が私の前に座る。

「これにサインをください」

1枚の紙とペンを私にウキウキと差し出す。

尻尾をブンブン振りつつもお座りをしている犬に見えて来た。

「あのさぁ」

私は深いため息をつく。

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