政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「ん?
清華が食べたいのなら入れればいい。
俺は今日、肉が食べたい気分なんだ」

おずおずと申し出たものの、半ば却下された。
ここ数日、心配させたり喧嘩したりだったし、いいか。
それにこうやって彼がわがままするのは私の前だけだと知っているので、それはそれでちょっと嬉しい。

それでも野菜を少し入れてもらい、〆のおじやまで堪能して部屋に戻る。

「食べ過ぎました……」

零士さんが食べろ、もっと食べろと肉わんこそば状態でお皿に入れてくるから、お腹はパンパンだ。

「俺もひさしぶりに食べ過ぎた……」

行儀が悪いとわかっていながら、ふたりでごろんとベッドに寝転ぶ。

「零士さんはお肉が好きなんですか?」

「そうだな、肉は好きだが焼くより鍋がいいな」

今日の食べっぷりを見ていたらそれは納得だ。

「甘いものは?」

「嫌いじゃないな。
洋菓子より和菓子が好きだ」

彼の手が伸びてきて、私の髪をくるくると弄ぶ。

「お酒は?
ワイン派ですか、日本酒派ですか?
それともウィスキー?」

「これはいったい、なんの調査だ?」
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