政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
時間の許す限りできるだけ多く回りたいところだが、それだときっと零士さんは退屈だろう。
悩みに悩んで絶対に外せない三つを選びだす。

「この三つで……」

封筒を差し出す手は、未練でぶるぶると震えていた。

「それだけでいいのか?」

人が苦渋の決断をしたというのに、零士さんは後ろ髪を引くようなことを言ってくる。

「じゃ、じゃあ、これと……これも……」

一応許可らしきものも出たし、さらに並ぶ封筒からふたつを押し出す。

「本当にいいのか?
これだけで?」

私が最終的に選んだのが五つで、零士さんは意外そうだ。
それにしても人が必死に我慢しているのに、煽るようなことを言わないでほしい。

「……はい。
これだけで……」

これだけの数のショーへ行けるなんて滅多にないだろう。
できるなら全部行きたい。
が、今回は零士さんとの新婚旅行なのだ。
私のやりたいことだけを優先するべきではない。

「わかった、全部行こう」

「えっ!?」

零士さんは場所と日時を確認し、携帯片手にスケジュールを組んでいる。
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