政略結婚のはずですが?~極甘御曹司のマイフェアレディ計画~
「うん。
じゃあ明日、あけよう」

ようやく、彼が私から指を離す。
さっきまでとは違い、零士さんが優しく微笑んで気が緩んだ。
そのままくたりと彼の胸に倒れ込む。

「清華?」

「あ、すみません。
なんか、気が抜けちゃって」

零士さん、ズルい。
あんなにエロく迫られたら、断れなくなっちゃう。

「そうか。
そろそろ風呂入って寝るか。
そうだ、一緒に入るか?」

私の顔をのぞき込み、右頬を歪めて意地悪くニヤリと笑う。

「……入りません」

胸を押して離れ、さすがにそれは断った。

交代でお風呂に入り、零士さんはすぐにベッドで寝息を立てだした。

「お疲れ、ですよね……」

一日前倒しなんて、無理をしたんじゃないだろうか。
できた時間でゆっくり休んでほしいな。
しばらく寝顔を眺め、私も目をつぶる。
……あ。
どうして私を結婚相手に選んだのか、聞くの忘れてたな……。
明日、聞いてみよう。
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