執事的な同居人
泥酔




「あっ。付けてくれてるんだ~」

「………………」





登校中




運悪く出会ってしまい、カイは私の前髪を見てそう言った。





「カイが使えって言ったんじゃん」

「お。名前もちゃんと呼んでくれるんだ?」

「そう呼べって……」

「嬉しい。」

「っ、」





わざわざ耳元でそう言ってきた。


驚いて顔を上げればカイは爽やかな顔をして微笑む。





「それにして良かった。すごく似合ってる」

「………………」

「ん?なに?」





だからモテるのか。



平然とした顔で思っている事を口に出すカイにそう納得してしまう。



確かに似合ってるなんて言われて嫌な気持ちにならないし……





「おーい、佐々野~」




前からカイを呼ぶ声。


その声に「おー!」っと返事を返したカイは





「じゃあね、石沢サン」

「わっ!ちょっと…!!」





軽く私の頭を撫でてその人の元へと行ってしまった。あーもう…髪の毛乱れた。





…せっかく颯太さんが付け直してくれたのに。




今日の朝

颯太さんも似合ってると言ってくれた。




その言葉だけでも凄く嬉しくて


優しく私の髪の毛を触って付け直してくれたときは、たったそれだけのことなのにキュンっと胸が鳴った。



今日の颯太さんは昨日のような、よくわからない行動はなく、いつも通りだった。







(今日は早く帰ろっと)



夜の仕事がない日は、

いつも喜びでいっぱいになるんだ。


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