執事的な同居人






手を出してしまった事と、昼間に遭遇した時の紀恵さんの強張った顔が脳裏に浮かぶ。



あのままあの家にいると、自分の欲望を抑え切れずに今日のように手を出してしまうはず。






……今度は軽いものでは済ませれない気がするんだ。







"同居人さんは社会人で、石沢サンは高校生。もしそんなことがあったら、大問題ですよ?"






昼間のアイツの言葉が蘇る。




アイツの言っていることは正論で、間違ってなんかいない。……だからこそ苛立ってしまう。






理解していたくせに手を出してしまったこと、





そんな自分が惨めに思えてくる。













「……それは、良い話ですね。」







その手を軽く掴み、包み込む。





女を手玉に取ることは学生時代の頃にはもう身についていた。






その頃の俺は荒れていたから、女関係も数知れず。



そんな事を紀恵さんに言ってしまえば最低と言われるかもしれないな。






「麗華さんのそばにいられるなんて、俺にとっても悪い話ではないですし。」


「え~?ほんとに?颯太くんも私を喜ばせるのが上手いね」





ギュッと握ってしまえば、麗華さんは目を輝かせた。


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