執事的な同居人







「離して下さいっ…」





「キミさあ」






耳元で





「高校生っしょ?」





言われては






「俺とイイことしようよ」





ゾワリと鳥肌がたった。





「っ、きゃっ!」





見知らぬ酔っ払いの男が私の腕を掴むと、私の気持ちなんて聞く気はゼロで、ズンズン先を歩いて行く。





『まずはこうやって腕を引っ張られて』





颯太さんの言っていた通りの状況が





『壁に押さえ付けられる。まあ基本路地裏とかが多いでしょうね』











『そして、強引にカラダを触られるんですよ。あなたが嫌がろうが関係なく、こうやって』







「叫んだりしたら殴るから」


「っ、……」





経験することになるなんて。







怖い怖い怖い。
逃げたい。


逃げたくても逃げられない。


叫びたいのに叫べない。






「っ、やっ…!」





その男が私のブラウスを捲って
中に手を入れる。




素肌に触れる見知らぬ人の手。






『見知らぬ人に触れられるのは、気持ち悪いでしょう?』





気持ち悪い。気持ち悪いよ…






「…………っ」





今になってようやく颯太さんが言っていたこと、それを理解出来る。




ここには来るべきじゃない。



颯太さんはずっとそう言ってくれてたのにー…


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