あの日に交わした約束は、思い出の場所で。
ホワイトデー
階段を降りて廊下に来ると、三組の教室に電気がついているのがわかった。

ドアの前まで来て教室を覗くと、結人くんがすでにいた。

結人くんって私を待ってるとき、決まって窓から外の景色を見てる。


そんな後ろ姿を見るのが、私はたぶん好きなんだ。

くせ毛っぽい髪質のせいか少し跳ねた後ろ髪も、肩幅が広くて男らしいところも。

「結人くん、お待たせ」

ドアのところから声をかける。


「奈央、部活お疲れ」

「結人くんもお疲れさま。待たせてごめんね。暗いし帰ろう」


結人くんと歩くいつもの帰り道。

「なんか、久しぶりな感じがするね」

「あーたしかに。最近一緒に帰れてなかったからね」

「うん、そうだね」

久しぶりでなにを話したらいいのかわからなくなった。いつもどんな話してたっけ?

話題になるようなこと、最近なにかあったっけ……

考えては見たけれど、思い出すのは遥のことばかり。
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