アンドロイド・ニューワールド
『ごほん、とにかく、とにかくだよ瑠璃華ちゃん』

と、局長はわざとらしい咳払いをして言いました。

「はい、何ですか」

『今度遊びに行くときは、奏君の意見を採用してあげて。瑠璃華ちゃんじゃなくて、奏君の意見を』

と、局長は言いました。

私も、最初はそのつもりだったのですが。

「でも、奏さんは、私の行きたいところなら何処でも付き合うと言ったので…」

『あぁ…。やっぱり、物凄く一方通行の恋心だ…。奏君可哀想…』

と、局長は謎の言葉を呟いていました。

一方通行の恋心とは?

理解不能です。

これらの話題について、考えてみても良いのですが。

考えたら必ずと言って良いほど、胸の奥の方に、異物感を覚えるので。

今はやめておきましょう。

『いや、改めてまた聞いてあげてよ。何処に行きたい?って。次は、奏君の行きたいところに付き合ってあげて』

と、なおも局長は念押ししました。

…局長がそこまで言うのなら。

「分かりました。次はそうします」

『うん、それが良いよ。頑張れ奏君…!』

「…?」

と、私は首を傾げました。

何故久露花局長が、奏さんを応援しているのか。

理解不能ですね。

世の中には、まだまだ理解不能なことが多くて大変です。
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