傾国の姫君
そりゃ、こんな子供みたいな子達から見たら、私はおばさんか。

「皆、いくつなんだい?」

私が話しかけると、皆それぞれの顔を見合わせた。

「私は19。隣は、18よ。」

「19に18かい。どうして、お妃になろうと思ったの?」

「……それは皆、お金が目的なんじゃないかな。」

「お金?」

皆、うんうんと頷いている。

「お妃になると、支度金が出るから、それで実家に仕送りをするの。」

私は、はぁと息を飲んだ。

皆、いろんな事情がある。

でも少なくてもこの中に、秦王の妻になりたいと言う人は、いないのだろう。


「よし。じゃあ、出発するぞ。」

候補者を探していた人は、馬車の手綱を握った。

「まずは、中央の城へ送り届けるからな。」

「はーい。」

そして、馬車は動き出した。

町の人達は、あれがお妃候補かと、ちらっと見ていく。

「随分、若い女がいくんだね。」
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