【短編集】 and You.
夕日が目にしみる。

今頃の時間を黄昏時と言うらしい。
よく見えなくて、相手の認識がなかなか出来ないからって聞いたことがある。

周りのイチョウが舞った。
同じ色の髪をした彼の中に、幼馴染の面影は見当たらなくて。

自分の知らない人だと思った。
自分の知らない彼だと思った。



「ごめん、帰るね。」



そう言って、返事も聞かずに公園を後にした。

もう一緒にはいられないと思ったから。



【完】
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