悪魔な太陽くんと餌の私
さて、私は雨夜月乃という、太陽くんのクラスメイトだ。
教室の窓側最後列という席を陣取り、休み時間はほとんど読書。
あるいは、数少ない友達とひっそり話す、地味で目立たない女だ。
クラスの人気者と、陰キャの私。もちろん、わたしたちの間に接点はない。
けれども私は、春日くんが気になって仕方が無かった。
それは、恋愛的な意味などでは、断じてない。
――うわぁお、今日もとんでもない、暗黒。
さわやかな笑顔で登校してきた春日くんの背後を見て、私は頬をひくつかせた。
輝く笑顔で友人とあいさつを交わす春日くんの背後には、ドロドロと濁った黒いモヤがこびりついている。
人の悪意を凝縮したようなその色に、私は今日もドン引きする。