異世界に行ってみたら、彼女にそっくりな女の子がいた。
 隆幸はシシリーの家に招待された。

「大きな家だね」

「私一人じゃないもの」

「そうか」

 もちろん、シシリーにも家族がいる。

「ただいま」

「あら、お帰り。もしかしてタカユキさん?」

「あ、はい。向こうの世界のタカユキです」

「向こうの世界のって言うと、ミキね」

「あ、はい」

「似てるでしょ?」

「びっくりしました」

「実はね、繋がってるみたいなの」

「えっ?」

「あっちとこっちが」

「この世界は普通には来れないはずですが……」

「世界を繋ぐ扉があるみたいなの」

「扉ですか……」

「だって、あなただってこっちの世界に来れたわけだから」

「そう言えば、そうですね」

「だから、ミキもこっちに来れると思うの」

「それはそうですが、あっちの世界に戻るには……」

「扉から出るしかないけど、扉が開くまで待たないといけないわ」

「こっちで待ってた方が」

「その方が良いわね」 隆幸は三樹が戻ってくるかもしれないと思い、待つことにした。

「ゆっくりしましょうよ」

 ミキが隣に座る。

「仮にも私たちって恋人なんでしょ? ちょっとくっついても問題ないよね?」

 問題はないが、温もりが伝わってドキドキする。

「くっつきすぎじゃ……」

「緊張してる?」

 ミキがキスをしてくる。

「ん」

「ちゅ」

 ミキを押し倒したくなるが、こらえる。

「戻ってくると良いわね?」

「戻ってきたら、どうなるんだろう?」

「私が消えちゃうって思ってる?」

「うん」

「大丈夫よ」

 ミキが抱きつく。なんだか安心する。

 実際、いつ三樹が戻ってくるかも分からない。

「不安なのは分かるけどね」

 今はミキを三樹と思うしかない。
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