堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
 楽団の音楽が鳴り響いた。エレオノーラはピタリとジルベルトに寄り添う。重々しい扉が開いて、王族が入場してきた。
 国王、王妃、第一王子、第一王女、第二王女と華やかさに溢れている。国王が何かしら言葉を発すると、会場がわーっと盛り上がる。堅苦しい挨拶が嫌いな人だから、あとはご自由にという流れだろう。実際、そうなった。

 エレオノーラはジルベルトに促されて、場所を移動する。
 どうやらジルベルトが知り合いを見つけたようだ。と思ったらダニエルだった。

「ダニエル殿」
 ジルベルトがダニエルに声をかけた。
 ダニエルもそれに応え。
「リガウン卿はお会いするのは初めてですね。私の婚約者のウェンディ・マクドネルです」
 ダニエルの隣に寄り添っていた女性が、頭を下げた。エレオノーラもよく知っている人物。

「ウェンディ、エレンをお願いしてもいいだろうか。私は少し、リガウン卿と話がある」

「はい、ダニエル様」
 にこやかに微笑む彼女は、今のエレオノーラよりも幼く見える。ウェンディの返事に満足したダニエルは、少し離れた場所でジルベルトと何やら話し始めた。

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