堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます

17.エピローグです

 クラレンスの帰国から遅れての数日後。
 ジルベルト、エレオノーラ、そしてドミニクの三人がやっと帰国できることになった。やはり、あのフレドリックの件で、バーデールの騎士団から情報を求められたのだ。特にエレオノーラはフレドリックに近づいた唯一の人物として、及び、一人で三人の男を倒してしまったということもあり、取り調べではなく情報提供という名の会議に呼ばれることが多かった。そのときのバーデール騎士団の人たちの顔がやや引きつっていたようにも見えた。

 だから、だろうか。
「どうでもいいけど。あっちの騎士もエレンにはドン引きしていたよね」
 唐突にそんなことをドミニクが口にした。

「ええ、なぜですか?」

 帰りの馬車の中。仲良く三人がいる。ドミニクの心遣いで、ジルベルトとエレオノーラ扮するレオンは並んで座っている。どことなくジルベルトの顔がほころんでいるように見えるのだが、ドミニクはあえてそれを指摘するようなことはしない。

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