堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「それで、どちらまでお付き合いすればよろしいでしょうか?」

「うん。じゃ、私についてきて」
 ドロシーはパッと離れて、エレオノーラを案内する。講義棟を出て活動棟へと向かう。その建物の三階の一番奥の部屋。ここは。

「生徒会室、ですか?」
 このドアが見えてきたときに、エレオノーラは口を開いた。

「ええ、そうよ。会長がどうしてもエレンちゃんに会いたいらしくて」
 ドロシーがドアをノックすると、中から入ってくるようにという返事があった。

「約束通り、エレンちゃんを連れてきましたよ」
 ドアを開けるや否や、そんなことを言いながらドロシーは中に入る。
「ささ、中に入って入って」

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